●造り二種盛り
日本料理では、魚を刺身に切ることを「刺身に作る」といい、刺身のことを「造り」とも呼びます。技法としては、単に魚を切るだけですが、
、実は切り方一つで味わいが大きく変わります。言うなれば「切ることによって味付けをしている」感覚なのです。
「切る」ということは、単に大きなものを小さくするということではありません。「切る」ということ一つだけでも追求するならば、その奥の
深さに圧倒される思いがします。これが料理の面白さであり魅力だと私は思っています。
鯛と烏賊の二種盛りですが、弾力のある鯛は、薄めに平造り、肉厚のイカはつけ醤油がのりやすいように切り込みが入っています。
それぞれの持ち味を生かして造り、盛り合わせることが大切なのです。
<材料>4人分
鯛 1/2尾
烏賊(上身) 1/2枚
大根 少量
大葉紫蘇 4枚
菜種 4本
人参 少量
わさび 少量
土佐醤油
濃口醤油 360㏄
たまり醤油 180㏄
酒 100㏄
味醂 80㏄
かつお節 25g
<作り方>
①鯛は、背と腹に切り分け、皮を引き、皮目を包丁でこそげ、余分な脂を取り除き、氷水の中で皮目をしごくように洗い、しっかりと水気をきる。
5㎜厚さの平造りにする。
②烏賊は、3㎝長さに柵どりし、表面に切り込みを入れ、食べやすい大きさに切る。
③大根は、桂剥きにして、繊維に対して直角に刻み、水につける。(横けん)
④菜種は、食べやすい長さに切り、塩ゆでする。
⑤人参は、4㎝長さに切り、皮をむき、桂剥きにする。繊維に沿って斜めに切り、箸で巻き付けて形をつける。
⑥土佐醤油を作る。鍋にかつお節以外の材料を合わせ、ひと煮立ちさせ、かつお節を加えて弱火で5分程煮る、冷まして漉す。
⑦器に横けんを少量盛り、大葉紫蘇を添え、鯛を盛り付け、手前に烏賊を盛る。菜種、人参、山葵を添える。
⑧猪口に冷やした土佐醤油を入れる。
<ポイント>
今回の盛り付けは、「山水盛り」と言いますが、
奥を高くして、手前を低くします。
そうすることによって、立体感が生まれ、美しく見えます。日本料理の盛り付けは、立体感のある盛り付けをするのが、良しとされます。
そして、造りですから、鮮度には、こだわってください。
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