●鯛ごはん
日本料理の魚の王様と言えば、誰もが鯛をあげるでしょう。天然物は漁獲量が減っているため、一般には人が育てた養殖物が多く出回っています。
以前と比べると養殖技術は驚くほど進歩しました。天然物との違いはそれほどなく、むしろ、脂のつき方などは、返って養殖物の方が美味しいと
感じる人が増えてきているようです。
用途として刺身は勿論、焼いても煮ても美味しい魚ですが、捨てるところの無いのも特徴の一つ。今回の鯛ごはんは、焼いたアラで出しを引き、
調味して炊きました。蒸らす段階で薄くそぎ切りした鯛の身を加えます。この方法ですとご飯にはしっかりと鯛のだしが染み込み、身も柔らかく
食べられます。彩りに金糸玉子をたっぷりとのせ、えんどう豆を散らし、華やかさをだしました。
<材料>4人分
鯛(800g) 1尾
水 1ℓ
昆布 5㎝角
油揚げ 1枚
米 3カップ
ご飯のだし汁(鯛のだし汁 700㏄、みりん 30㏄、塩 小匙1/3、薄口醤油 30㏄、濃口醤油 15㏄)
えんどう豆 200g
漬け汁(だし汁 240㏄、みりん 20㏄、薄口醤油 30㏄)
錦糸卵(卵黄1個、卵1個、塩 少々)
<作り方>
1)鯛は、三枚におろし、腹骨と血合い骨を除く。頭部は、梨割りにし、中骨は適当に切り分ける。
頭部と中骨、身に薄く塩を振り、30分程度おく。
2)塩を洗い流し、水けをふき、頭部と中骨は網で焼く。鍋に水と昆布と共に入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして煮だし、漉す。
3)2)のうち、ご飯のだし汁に使う量を量り、調味料で味を調える。
4)油揚げは細かくみじん切りにする。
5)炊飯器に米、3)、4)を合わせ炊き上げる。
6)えんどう豆は塩ゆがきして、水気をきり、薄皮をむく。
7)錦糸卵の卵黄と卵をほぐして塩で味を調え、卵焼き鍋で薄く焼き、細く切る。
8)5)が炊き上がる直前に鯛の身をそぎ切りにしてのせ、蒸らす。
9)器に盛り付け、錦糸卵を敷き、えんどうを散らす。
<ポイント>
・頭部と中骨は、苦みが出るため、焦し過ぎないように注意をする。
・鯛の身を加えるタイミングに注意をする。炊き上げる直前に加えること。